●食い意地旅行記 屋台の飯はうまかタイ NO.9
2000/3/02 木
昼頃、白アザラシの子供がまた遊びに来て、またしてもベッドでごろごろしている。
やっぱ彼は、この1か月近くのタイ生活で、眠っていたタイ人気質が目覚めたのかもしれない。
寝ころんだままビールを呑み、楽しそうにカジンとお喋りをするH氏のくつろいだ格好を眺め、
私はしみじみと感心してしまった(^O^)
白アザラシの子供は、気まぐれなタイ人らしく、お喋りに疲れて軽いうたた寝から起きたら、
またしてもフラ〜ッとバイクで居候先へ戻っていった。
夜、カジンと共にナイトバザールへ出かける。
アレコレと日本の友達への土産物を買い、それをホテルの部屋にブッ込んで再びナイトバザールへ
戻った。
昨夜、探検しそびれたところを見て歩く。路地から路地へ、裏通りから裏通りへ。
一歩路地に入ると、ピンクの照明で彩られた、1坪か2坪ほどの小さなカウンターバーがびっしり
軒を連ねている。夜の7時8時の時間帯ではまだ早いのかもしれない。
たまに見かけるのは、白人のオッサンがぽつんと独りでビールを呑んでいる姿だけだ。
ここでカジンは、去年もH氏と行ったオープンカフェ街に行こうと提案した。
ナイトバザールの通りから一本の道に入ると、ズラーッとオープンカフェがあった。
どの店も、ホンコンフラワーの緑のツタに絡ませた、クリスマスに使うような赤・青・緑の小さな
電球がチカチカと輝き、ソコの通りはちょっとした真夏のクリスマス光景のようだ。
どのカウンターにも数人、薄くて小さい布を身にまとったキレーなオネーチャン達がいる。
その中の一軒に入って、カウンターの止まり木に座って注文した。メコンウィスキーロック80B。
つきだしに皮ごと揚げたピーナツが出てきた。結構イケる。ポリポリかじりながら、私は何気なく
周囲の店を見物。
向かいの店のカウンターで30歳くらいの白人男性が独りポツンと座っている。
異国のこの地で、ボクってちょっと孤独を楽しんでるさッ…と気取った雰囲気の男だ。
ところが、店の女性がたま〜に寄ってきて話しかけると、急に大仰な身振り手振りで喋り出す。
でも女性が離れると、再び口をつぐみポツンと固まっている。
私が2杯目のお代わりをしてそれも呑みほした間、小一時間がたった。
かの白人男は、ずーっとその繰り返し。なンかブリキのネジ巻き人形みたいで、変に面白かった。
しかし、白人のアンチャンよぉ〜、ビールの中瓶1本を、1時間も2時間も保たすのって
スゲー大変じゃないのォ〜? 白人って元々ケチなんかねぇ〜……(-。-;)
店のオネーチャンだって、それじゃ商売あがったりだゼ。
そんなとき、隣の店に、白人の老夫婦が来た。
仲良くテーブルの椅子に並ぶと、ひょろひょろと背の高い夫はウィスキーを、胸も腰回りも豊かに
たっぷり太った妻はコーラを頼んでいた。
結婚生活数十年、お互いいたわり合って人生生きてきましたって感じだ。
私とカジンがその老夫婦に見ほれていたら、まわりの店の女性達も老夫婦の雰囲気に気付いて、
温かなまなざしを投げかけていた。
私もこんな老夫婦みたいにカジンと送れたらいいなァ〜……(*^_^*)
ホテルに戻る前に、コンビニでメコンウィスキー、屋台でガイヤーンを買い込む。
ついでに、またクーポン制の屋台広場に寄った。舞台では昨夜と同じタイ舞踊。
今夜もココは観光客で盛況だ。そんな中に、またしても孤独なドイツ人?がいた。
頑固そうな口をむんッとへの字にむすんで、相変わらずビール瓶を抱えていた。
ーーーおやすみ、オジサン。
……心の中で挨拶をして、私とカジンは、ベッドで宴会をするためにホテルへ帰っていった---。