●食い意地旅行記 屋台の飯はうまかタイ NO.10
2000/3/03 金
帰国する数日間をバリに行こうというので、カジンがATM機から金をおろしてきた。
彼の財布には、500B紙幣が何枚も入っている。
「なんか、すごい金持ちになったみたいだね」と、財布をのぞき込む私。
「でも、そんなに膨らんだ財布を人前で見せない方がいいよ」と私が言うと、カジンは、
「大丈夫だよ。買い物するときはお金は分散して、小銭入れを出すから」と言う。
しかし、この後、とんでもないことになった……(怒)。
明日は、汽車でいったんバンコクに戻るし、昨夜買った土産物は、けっこうな大荷物だ。
昔から手荷物を持つのが大嫌いで、鞄類は常にショルダーバックと決めている私。
旅先の土産物だとはいえ、大きな手荷物を持って移動するなんてまっぴらゴメン。これを持ち歩く
のかと、考えるだけでも気が重い。で、航空便で先に自宅へ送ることにした。
朝飯を食った後、10分ほど歩いたところにあるナワラット橋たもと横の郵便局に出かけた。
その郵便局は、なかなか立派な構えの建物だ。入ると長〜いカウンターがあって、客も局員も
のんびりと窓口でやりとりしている。
国際航空便は左端にあり、制服を着たおっさんと作業着ニーチャンが担当のようだ。
何重にもビニール袋で梱包した土産物の荷物を窓口に出すと、送り状の書類を渡された。
2千Bちょっとの料金を言われ、先に500B4枚と100B数枚と数十Bの代金を渡すカジン。
タイ語と英語で記された送り状を頭を寄せ合って、ナントカ書き込んでいく。
その間、作業着のニーチャンが手際よく段ボール箱に土産物を入れて荷造りしている。
ーーー日本の郵便局と違って、コッチの局員は親切だなァ…と感心する私。
書いた送り状を制服のオッサンに戻すとき、タイ語でナントカ言われる。
切手代金のほかに段ボール箱代が必要のようだ。制服のオッサンが追加料金を請求するかと
思いきや、いったん料金を返してきた。数十Bを渡すだけなのに、変だな〜と思っていたが、
制服のオッサンから返ってきた金から500B足りない!?
コノ制服のオッサンに、500B札をやられたッ!!(怒)
困惑したまま、カジンが日本語で文句を言うが、制服のオッサンはシラ〜としている。
このオッサン、始めに料金を払うためにカジンが開いた財布の中身を盗み見してたンだ。
ほいでもって、開けた机の引き出しに、手品のように抜き取った500Bを落としたに違いない。
タイ語の話せない2人なので言い返しが利かないし、カウンター越しに覗いても、もちろんお金が
残っているはずもない。
日本の公務員と同じ感覚で、郵便局員は安全だと油断したのがマズかった……。
う〜む! タイでは郵便局員でも油断できない国だ!!
郵便局からトボトボと帰る道々、カジンは怒り悔しがっている。私もこんなコトでだまされガッカリだ。
絶対今頃、「オマヌケな日本人からくすねた500Bで今夜は豪遊だ」と、
作業着のニーチャンと山分けしながら笑っているに違いないヨと、カジンと二人してプンプン怒って
悪口を散々言い散らすが、心は晴れないよォ〜……(T_T)
で、トボトボと戻る……。
怒ったら急にお腹が空いてきた。
トゥクトゥクのにーちゃんがニコニコと近寄ってくる。カオ・ソーイは食べたかと聞く。
騙され後なので、私とカジンはまたヤラれるのかと警戒したまま固まった。
彼は、安くて美味しい店を教えるというのだ。トゥクトゥクには乗らないと言うと、それでもいいと
言う。ずーっとニコニコしている。この笑顔なら大丈夫かなと思い警戒を解いて行ってみることにした。
教えられた食堂は、路地の中にあった。
広い土間にいくつも長テーブルが並べられ、地元のオッチャン達が食事をしていた。
注文したチキン入りカオ・ソーイは、カレーラーメンにパリパリの揚げ麺がのっけてある。
小皿に高菜の漬け物と生のスライスしたニンニクが添えられてあった。
カオ・ソーイって、こくがあって旨いッ(^-^)。 箸休めの高菜も旨い。ご飯が欲しいくらいだ。
私は、お腹が満足すると、ゲンキンにもとたんに機嫌良くなった(^-^;
さあ、今夜でチェンマイはおしまいと、最後のチェンマイ屋台の夕飯を食べようと思ったら、
屋台のオバサンがビールはダメだと言う。よくよく聞いてみると、日曜日の選挙が終わるまで、
タイ全土で禁酒令が勃発したらしい。びっくりびっくり!!
しかも、酒を売ると罰せられるらしいのだ。こんなのって、日本じゃまず考えられないよなァ。
他のテーブルを眺めると、どうもアルコール無しのディナーではまったく盛り上がらない様子。
地元のオッサンも観光客も、ボソボソと食べて無理矢理水を飲みながら流し込む、という感じだ。
禁酒令かぁ〜…面白そうなので、食事もそこそこに街を見学してみることにした。
どのコンビニでも酒が冷やされたショーケースにはタイ語で書かれた貼り紙がしてあった。
ある店では、酒類の入ったショーケースを外から段ボール紙で見えないように、ガムテープで
ベタベタ貼って隠していた。
カフェバーは、どの店もシャッターが降りて、その一角だけ薄暗かった。
大きなホテル近くのカフェテラスでは、
白人の観光客達が揃いも揃って、大きなマグカップにストローを入れてチューチュー
飲んでいたが……アレはもしかして……(*^▽^*)♪…酒かァ〜!?
ま、明日はバンコクまで電車で下る長旅だ。ココはおとなしくホテルに戻って寝酒するか……。
(しかし、寝酒用に買いだめしてたメコンウィスキーがあって良かったヨォ〜♪)