●食い意地旅行記 屋台の飯はうまかタイ  NO.7

  2000/2/29 

      10時半のチェンマイ行きのバスに乗るために、朝食を大急ぎで食べて、バスターミナルの
      切符売り場に30分前に並んだ。エアコンバス119B。
      出発時間まで、待合室の木の長椅子にボーッと座って待つ。
      ジュース、果物やお菓子、緑色の竹筒に入った蒸かした餅米?を売るオバサン達が入れ替わり
      立ち替わり声をかけてくる。
      私は、好奇心でビニール袋に入った果物を買った。楕円形の果物は皮をむいて食べやすいように
      切り込みが入っていて、ザラメのような砂糖付きで20B。
      メロン色したソレは水分があまりなく、瓜をポリポリと食べるような歯ごたえでイマイチだ。
      結局、その果物は生ぬるくなるまで持てあましたあげく、半分残して捨ててしまった(=_=;)

      バスは満席。出発するとすぐに、紺の制服を着た車掌さんから香料のキツイおしぼりとコーラが
      配られた。彼女の仕事はそれだけらしく、用はさっさと済ませたと言わんばかりに自分の椅子に
      座った後、一切そこから動かない。

      日本のベタベタしたサービスと比較して、あんまりアッサリしているので妙に感心してしまった。
      ところで、冷房が効いてコリャ快適だと思ったのは始めの30分間だけ。
      ーーーなんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁッ???
      冷房が効いてるね、ってモンじゃない。
    バスの中は、耐寒大会に出場してるみたいに寒い!!

      鳥肌は立つし、モロに冷気のあたる太股やお腹は、冷えのため鈍痛すらしてくる。
      風邪が完全に治っていないカジンに至っては、唇もムラサキ色にして歯をガチガチいわせている。
      ムチャクチャに効いた冷房に、私とカジンは、しっかり震え上がってしまった。
      トレーナー、長袖シャツ、タオルと、リュックから引っぱり出しては体にまとうがそれでも寒い。
      タイ人は、旅慣れているのか、厚手の上着を着たり、バスタオルを羽織ってゆとりの表情。
      私は、冷気を避けるために雑誌やパンフレットを膝に置き防寒対策にバタバタしていたら、通路を
      挟んだお隣の席の男の子が、ニコニコしながら身振り手振りで、窓のカーテンを頭上の網棚に乗せ
      るようにと言ってきた。
      なるほど、言われたとおりにすると、冷気の吹き出し口をふさがれ、それまでの寒さが嘘のように
      ピタリと止んだ。
      「コップンカー」と笑顔でお礼を言う。
      親切なお隣の席は、タイの大学生らしき男の子と、その女友達風。
      親切な彼は、気の好さそうなお金持ちボンボンらしく、携帯電話を持っていて、
     女の子はその電話を借りてひっきりなしにアッチコッチへかけまくっている。
     おしゃれした彼女の雰囲気としては、
     これからお金持ちの彼とチェンマイに遊びに行くというので、友達に自慢している……
     …???
(ま、コレは私の想像だけど)
      バスは山道を登ったり降ったりといくつもの山を越えていく。
      途中、10分間のトイレ休憩を挟んで、3時間半ほどでチェンマイアーケードのバスターミナルに到着。

      チェンマイのバスターミナルは、チェンラーイよりも広くて大きい。アナウンスと車の騒音とで
      なかなか賑やかだ。うーん、ココは都会だァ。
      バスから降りると、ホテルの勧誘のトゥクトゥクのオジサン達が口うるさく寄って来た。
      さて、どーすべえ…と思案するために広場の食堂に入って、まずは一服と汁ソバを一杯…。
      再びターミナルの観光案内の窓口でホテルを頼む。
      係りのオバサンはめんどくさそうに誰かを呼んだ。来たのはトゥクトゥクのニーチャン。
      満面の笑みをたたえて
      「俺が紹介するホテルは、1000Bだけど、俺の顔で700Bと安くなるンだ」と威張る。
      その代わりトゥクトゥクは60B支払ってネ、ときたもんだ。
      ま、いいかァと私とカジンはそのトゥクトゥクに乗り込んだ。
      
      ホテルは、ナイトバザール近くにある4階建てのホテルDOWNTOWN INN
      トゥクトゥクのニーチャンに60Bを支払ってフロントに行くと、先に行ってたカジンが難しい
      顔をして何やら交渉している。
      トゥクトゥクとはまったく関係なく、ツインが1泊で900Bですと。
      つまりニーチャンにうまくしてやられた訳ね。
      クソッ!と思ったけど、うまい口車にのったうちらが悪いのさッ。
      他を探して再度交渉する気力もなく、そこへ宿泊することに決定。
      だまされたと、カジンは悔しそうだ。ま、タイ語を喋れないンだから仕方ないじゃん、ね。
       
      シャワー付きの部屋は、明るい出窓があり、快適そう。
      さっそく荷物を放り投げてお散歩に出かけた。
      街には、衣類、銀細工、CDショップと色々な店がズラーッと並び、屋台は未だ準備中。
      開いてるサンダル屋でカジンと私のバンド付きのサンダルを探す。何軒か見て歩き、カジンの
      サンダルだけ購入。値切って420B。高いかも……でも探すのメンドーだからいいや。
      私のサンダルは、小さい足用の手頃なサイズがなかなか見つからない。
      そーだ、デパートの子供靴売場に行こう! 
      案の定、子供靴売場に私の足にピッタリなサンダルを発見した。セールの最中らしく、20%オフ
      の270Bでようやく手に入れた。でも、よく見るとイドイン・ジャパン!? ”KODOMO”と、
      ご丁寧にも飾り文字が入っていた。ま、いいかァ〜
(^-^;

      ナイトバザールのある通りの途中にクーポン制のフードセンターを見つけた。
      お店は、タイ、インド、中国と料理のレパートリーも広い。

      たいしてお腹は空いてないが、クーポン券を使ってみたくてウズウズする私。
      カジンもビールなら付き合うというので、私はさっそくクーポン券を買った。
      クーポン券がもし余ったら、その分だけ払い戻すシステムも気に入った。
      ビール、タイ炒飯、揚げ焼売をテーブルに並べて、私はご満悦。
      値段が少々割高だし、あんまし旨くないが、ま、雰囲気代込みと思えば妥当な値段かな?
      午後の3時前後、客はほとんど居ない。風がそよそよと吹いていて、飲み食いしながら煙草を
      ふかしながらボーッとするにはとっても快適♪
      ちょっとした広場に白い丸テーブルがいくつもあって、中央には舞台もしつらえてある。
      チェンラーイの屋台広場の2倍はありそうだ。
      
      チェンマイのナイトバザールは、バンコクのパッポン通りより、ゴーゴーバーの音楽が
     がなり立てていないぶん、気持ち静かな雰囲気。

      それでも大通りの両側の歩道いっぱい土産物屋がびっしり並び、昼間のほこりっぽさが消え、
      なかなか壮観な眺めだ。
      いくつか広場もあり、軒並み食べ物屋さん。水槽には魚や海老や蟹が鎮座して客を待っている。
      裸電球の明るさと、中華鍋で煙をあげるニンニク油や香菜の匂いに活気があり、私は嬉しい
      めまいを起こしそう
(⌒‐⌒)
      カジンはいつになく落ち着きがない。実は、去年一緒に旅行したH氏と再会する約束になって
      いて、H氏が居候になっている部屋に盛んに連絡を取っている様子だ。
      それでも、カジンは、トム・ヤム・クンを注文して、辛い、熱い、旨いと言いながら、
      アフアフ食べるのに忙しい。
      私は、ほかのテーブルで食べている名前も知らない料理を横目でにらみ、心の中でアレもコレも
      欲しいなァ、と意地汚く考えながら、ガイヤーン、焼きそば、野菜炒めを、あっちの屋台、
      こっちの屋台と取り寄せて胃袋をメリメリいわせながら食べまくった。

      もちろんお供はメコンウィスキー。
      屋台で食べ残しても、そのまま残りをお持ち帰り出来るのは嬉しい。
      だって、ホテルで夜中にお腹空いたとき、そのお持ち帰りを食べることができるモンねー。
      コレって二度美味しく食べられて、とってもお得かもしンないね。
      
なンか、チェンマイって街、好きになれそう……。

     

ひたすらタイ!?